西尾美也「NISHINARI YOSHIO」

西尾美也「NISHINARI YOSHIO」

場所:大阪市西成区 | kioku手芸館「たんす」
用途: 展示 / 店舗
設計: NO ARCHITECTS
施工: NO ARCHITECTS , POS建築観察設計研究所
竣工: 2018年2-3月

http://breakerproject.net/nishinariyoshio/

「NISHINARI YOSHIO」は、美術家・西尾美也が、地域の女性たちとの共同制作により立ち上げた西成発のファッションブランドです。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目し、様々な人々との協働による表現活動を探求してきた西尾が、西成区山王にあるkioku手芸館「たんす」に集まる地域の女性たちと共に、約一年かけて行った服づくりのワークショップを経て「NISHINARI YOSHIO」のコンセプトが立ち上がりました。地域の女性たちによる予想を裏切るアレンジや発想の飛躍、西尾が考えるイメージとの齟齬など、予期せぬズレがコンセプトの一つになっています。大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]では、西成を舞台に撮影された第一弾コレクションのファッション写真を展示、kioku手芸館「たんす」では、2FにSHOPをオープンし、服の展示・販売を予定しています。どうぞお越しください。

「NISHINARI YOSHIO」ができるまでのワークショップ
週に1回オープンする「たんす」にて、2016年秋から西尾によるワークショップが実施されています。コラボレーターである地域の女性たちの服づくりに対する固定概念を崩すことから始まったワークショップでは、西尾が過去に手掛けたプロジェクトにおける服づくりをベースにお題が出され、女性たちそれぞれが考え、創作を行ってきました。アーティストのコンセプトと作り手となる地域の女性たちが出会うことで起こる「ズレ」や「齟齬」や「バグり」を積極的に取り入れることで、「NISHINARI YOSHIO」という新しいファッションブランドの構想にいたりました。
第一弾コレクションは、地域の女性たち(作り手)のメンバーそれぞれが選んだ身近な知人をモデルに、彼・彼女らへの思いやりがデザインとして変換されたワークジャケット(作業着)がプロトタイプとなっています。

西尾美也 NISHIO Yoshinari
1982年、奈良県生まれ。同県在住。2011年、東京藝術大学大学院博士後期課程修了。文化庁芸術家在外研修員(ケニア共和国ナイロビ)などを経て、現在、奈良県立大学地域創造学部専任講師。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目し、市民や学生との協働によるプロジェクトを国内外で展開。アフリカと日本をつなぐアートプロジェクトの企画・運営のほか、ファッションブランド「FORM ON WORDS」も手がける。近年の主な個展/グループ展に、2017年「纏わり着く」ARTZONE(京都)、「ソーシャリー・エンゲイジド・アート 社会を動かすアートの新潮流」3331 Arts Chiyoda(東京)、2016年「あいちトリエンナーレ2016」愛知芸術文化センター(愛知)、「さいたまトリエンナーレ2016」旧埼玉県立民俗文化センター(埼玉)など。 http://yoshinarinishio.net/

kioku手芸館「たんす」
元タンス店を改装し、2012年にオープンした創造活動拠点。美術家・呉夏枝と取り組んだワークショップのプロセスから派生して生まれたスペース。2014年度からは、美術家・薮内美佐子を迎え、「つくる」ことを軸に約2年にわたるプロジェクトを展開。これまでの活動を経て、地域の女性たちの居場所へと成長してきた「たんす」では、アーティストと地域の人々が出会う場、新たな創造活動が生まれる場として、継続して活動に取り組んでいます。

NISHINARI YOSHIO
アーティスト:西尾美也
ブランディング・ドラマトゥルク:竹内大悟
グラフィックデザイン:前田健治
会場構成:NO ARCHITECTS
施工協力:株式会社POS建築観察設計研究所
構成メンバー:草田武子/須藤よし子/塚本きみ子/中田久江/松本香壽子/宮田君代(2018年2月現在)

主催:ブレーカープロジェクト実行委員会
助成:一般財団法人地域創造/公益財団法人福武財団/
公益財団法人企業メセナ協議会 2021 芸術・文化による社会創造ファンド
協力:山王連合振興町会/飛田地区商店会連合/社会福祉法人山王みどり会/元鈴木タンス店
他作品制作に協力いただいた皆様(順不同)
ディレクター:雨森 信
事務局:松尾真由子・高岩みのり・室谷智子
たんすコンシェルジュ:松田 薫